「能登のいしる・いしり製造技術」が国の登録無形民俗文化財に登録されました

公開日 2023年03月23日

更新日 2023年03月28日

 「能登のいしる・いしり製造技術」が令和5年3月22日(水)に国指定無形民俗文化財に登録されました。

 石川県において国登録無形民俗文化財の登録は初めてで、この登録によって「能登のいしる」の周知が期待されます。

登録名称 能登のいしる・いしり製造技術
所在地 石川県
保護団体 特定せず
いしるを使用した料理等

  いしる鍋 

○いしる鍋(出典:農林水産省WEBサイト)

 いしる干し

○いしるを利用したあじの干物(出典:輪島市漆器商工課)

【登録の趣旨】
 石川県能登地方では、醤油に類似した風味をもつ「いしる」又は「いしり」などと呼ばれる魚醤が継承されてきました。これは、秋田県の「しょっつる」や香川県の「いかなご醤油」とともに、我が国における代表的な魚醤の一つであり、素材自体がもつ天然の発酵力を活かした製造技術には、地域的特色が顕著に見られます。また、長期熟成による伝統的な製法が継承されており、我が国における発酵調味料の製造技術の変遷や地域差を理解する上でも注目されています。

【文化財の説明】
 「能登のいしる・いしり製造技術」は、海産物由来の発酵調味料である魚醤の製造技術です。これは能登で水揚げされた魚介類を塩漬けにし、発酵と熟成を進めることによって、液体状の調味料を作る技術です。魚醤にはうまみ成分と塩分が多く含まれており、大豆を主原料とする醤油が普及するまでは、この地方における代表的な調味料であり、現在でも煮物をはじめとする料理の味付けに広く用いられています。
 原料は、日本海側の地域ではイワシやサバ、富山湾側ではイカの内臓を用いることが多いです。これらを秋から春にかけて塩と共に漬け込んで発酵させ、固形分の分解と熟成を促すことにより、赤褐色の液体を作り出します。良好な風味を得るためには1年以上の期間が必要とされています。

お問い合わせ

教育委員会 文化課
TEL:0768-22-7666
FAX:0768-22-7669