重要無形民俗文化財『輪島の海女漁の技術』

公開日 2018年06月15日

【重要無形民俗文化財 輪島の海女漁の技術】平成30年3月8日指定

1 名  称  輪島の海女漁の技術(わじまのあまりょうのぎじゅつ)

2 所 在 地  石川県輪島市

3 保護団体  輪島の海女漁保存振興会

4 概  要  

 本件は、石川県輪島市に伝承される、女性たちの素潜りによる漁撈の技術である。岩礁のある沿岸を主たる漁場とし、貝藻類等を対象に、息をこらえて潜水し、その身一つと簡易な道具によって、伝統的な採取活動を今日に伝えている。同種の技術としては、昨年度指定された「鳥羽・志摩の海女漁の技術」に続き2件目で、従事者数では全国で2番目(約200人)となる。技術の特色としては、身体能力に個々の差異はあるにせよ、様々な漁獲物の採取方法や自然環境の認知の仕方等、常に集団を基本に継承している点にある。また、それらに伴う周辺習俗もよく残しており、我が国の海女漁を理解する上で重要である。

 輪島の海女については、既に『万葉集』や『今昔物語集』等にその存在が散見され、特に、近世においては加賀藩による庇護を長らく受けてきた。また、その技術のあり様は、素潜り漁という比較的簡潔明瞭なものであることから、古態をとどめた伝統的な漁撈と解されている。主な漁場としては、能登半島沖の舳倉島や七ツ島、嫁礁等がある。漁法には、カチカラ、イソブネ、ノリアイの3種があり、カチカラは海女が直接陸から泳いでいって行うもの、イソブネは夫婦・親子等が船に乗り込み、漁をしている女性を男性が綱で引き上げるといった、役割分担して行うもの、ノリアイは1隻の船に男性の船頭と複数の海女たちが乗り合わせ、目的とする漁場で基本的には2人の海女が組になって漁を行うものである。また、漁獲物としては、アワビ・サザエをはじめ、ナマコ、イワガキ、カジメ、イワノリ、ワカメ、テングサ、イシモズク、エゴ等があり、そのため、ほぼ年間をとおして行われているが、10月のみ休漁としている。

輪島の海女による採捕出漁する輪島の海女

       輪島の海女による採捕               出漁する輪島の海女

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